作品
Kicho(office)
- オフィス
設計、工事監理:畑友洋建築設計事務所
施工:エイムクリエイツ
ガラス:三芝硝材
しけ絹:松井機業
障子とは大変優れた間仕切りの仕組みである。何重にも重なる和紙の重なりが、光や気配をこしとり、こちらとあちらの関係を調停する。上部の欄間からは光と天井面の連続から拡がりを感じることができる。
このプロジェクトでは障子の原型として几帳に着目し、几帳として古くから用いられてきた絹をガラスに挟み込み、幾重にも重ねることで、こちらとあちらの光や音、気配を調停しようとする試みである。
絹は、しけ絹と呼ばれる二匹の蚕が織りなす独特の文様を活かし、職人の手により天井に向かって少しずつ透過度が上昇し、上部では透き通るような透明度まで薄く織りあげられている。この絹を昔から劣化を防ぐ染物としての藍染めにより染め上げ、ガラスに挟み込むことによって自立する絹のスクリーンは、障子から欄間までをまるで連続的に織りあげたかのような新たな几帳となって現れた。